皆さんこんにちは!
今回は選手紹介の記事です。
第3回目となる今回の紹介は、Lorenzo Musetti(ロレンツォ ムゼッティ)選手です!
基本的な情報から戦績、使用ラケットまで詳しく解説していきます。
是非最後まで読んで頂けると嬉しいです。
※最終更新日 2025/06/14
1. 基本情報
まずは、 ムゼッティ選手の簡単なプロフィールをご紹介します。
プロフィール(2025/06/14時点)
名前:Lorenzo Musetti(ロレンツォ ムゼッティ)
国籍:イタリア
生年月日:2002年3月3日(23歳)
プロ転向年:2019年
身長:6’1″ (185cm)
体重:172 lbs (78kg)
利き手:右
バックハンド:片手打ち
参考元:https://www.atptour.com/en/players/lorenzo-musetti/m0ej/overview
ムゼッティ選手はイタリア カッラーラ出身。
近年はイタリア人選手の活躍が多く見られますね!
爽やかなルックスにも注目されがちなムゼッティ選手。
長髪だったり短髪だったり、ひげを生やしたり生やさなかったりと、色んなスタイルが似合うのもすごいと思う所。
日本のテニスファンとしては、2020年のローマ・マスターズ1回戦で錦織選手と対戦し勝利したことで、認知度が一気に上がりましたよね。
性格としては、感情豊かな印象があります。
たまに感情的になりすぎることもありますが、基本的には冷静なプレーが目立ちます。

2024年に第一子が誕生しており、若くしてパパである点も欠かせない情報です!
2. 戦績
次にムゼッティ選手の戦績をご紹介します。
記録
シングルスタイトル獲得数:2個
シングルス最高世界ランキング:6位
ダブルスタイトル獲得数:0個
ダブルス最高世界ランキング:142位
生涯獲得賞金:$9,385,488
勝率
生涯勝率:56.3%
得意サーフェス:クレーコート(勝率64.9%)
苦手サーフェス:ハードコート(勝率47.3%)
個人的には、少し意外な戦績だと感じました。
というのも、長い期間ランキング20~30位代在住と、安定して好成績を残していたからですね。
トーナメント決勝進出も4回のみということで、上位まで勝ち抜いてはいるもののあと一歩及ばない、という傾向があるようです。
しかし、近年の活躍をみるからに、この壁も近いうちに突破できそうだと予想しています。
直近の特筆すべき点としては、
・クレーコートでの活躍で、2025年に6位にまでジャンプアップ
・パリ・オリンピックでの銅メダル獲得や、デビスカップ優勝など、ツアー以外での活躍も多い
などがあります。
グラスコートとの相性も悪くなさそうですし、更なる活躍にも期待です!
3. プレースタイル
ムゼッティ選手のプレースタイルを言葉で表すと、
「多彩なショットと戦術で、試合を有利に進めるオールラウンダー」です。
1つずつ追って説明します。
①巧みな戦術
ムゼッティ選手は、相手に応じて巧みに戦術を変えられることが強みの一つです。
ベースラインからストロークを打ち続けるプレーが主流な近代テニスでは、珍しい選手と言えます。
巧みな戦術ってどういう所?と思われると思いますので、いくつか具体例を挙げてみました。
ギアを上げるタイミング
大事なポイントでは、集中力を高めてプレーの質を高める必要があります。
近年のムゼッティ選手は、これが上手くなっているように感じます。
序盤の拮抗した戦況では粘り強くプレーし、相手が崩れたタイミングで一気に仕掛けるパターンが良く見られます。
ショットセレクション
ムゼッティ選手の試合では、以下の得点パターンが良く見られます。
・そこまで速いボールを打っていないのに、相手選手が読みを外して体勢を崩す。
・緩急に揺さぶられ、相手選手がミスショットを起こす。
このように、相手のペースを崩すような配球ができる所が、躍進を支えているのです。
②ショットの豊富さ
先ほどの強みにも関連している点です。
多彩な戦術を実現できるのは、豊富なショットを持ち合わせているから。
ここでは、フォアハンド・バックハンド別に、ムゼッティ選手の強みを解説していきます。
フォアハンド
回転量の多いショットを軸に、深いショットからショートクロスまで器用に打ち分けることができます。
最近では、回り込みフォアハンド×スピードボールで得点、という攻撃的なパターンが増えています。
バックハンド
片手バックハンドの可動域を活かし、こちらもトップスピンでラリーを組み立てることができます。
また、時間を稼ぐスライスから、相手をコート外に追い出すスライスまで持ち合わせています。
③高いディフェンス能力
これらのプレースタイルを陰で支えているのが高いディフェンス力だと思います。
左右に揺さぶられても、しっかりボールに追いつき、コート深くにロブで返球することができます。
球際の強さ、タッチセンスの良さとでも言うのでしょうか。
不用意なミスショットも少なく、相手のメンタルを崩すことに繋がっているのです。

際立ったショットは無いものの、試合の組み立ては一級品のムゼッティ選手
試合に勝つプレー≠速いボールを打つこと
ということを教えてくれる名選手です。
4. 使用ラケット・ストリング
最後に、ムゼッティ選手が実際に使っているラケットについて紹介&考察します。
あくまで推測が含まれているので、その点はご了承下さい。
メーカーHPでは、HEAD BOOMシリーズを使用していると説明されているムゼッティ選手。
しかし、プロ選手のほとんどは、市販のラケットとは異なるプロストックラケットを使っています。
それでも、どれだけ市販品に近いモデルを使っているか、気になりますよね。
結論から言いますと、
HEADのEXTREME PRO(旧TOUR)に近いラケットを使用していると予想!
以下、詳細の説明に移ります。

Graphene360+~AuxeticまではEXTREME TOUR
Auxetic2.0からはEXTREME PROという名前に変わったので注意!
実際に使用しているラケットのスペック
今回参考した記事はこちら。
情報を見つけるまでに意外と時間をかけてしまいました…
https://www.dadracket.com/lorenzo-musettis-racquet-setup/
https://www.tennisnerd.net/gear/racquets/pro-player-racquets/lorenzo-musettis-racquet/27519
https://thetennisbros.com/tennis-tips/professional-setups/lorenzo-musetti-racket-and-strings-discover-musettis-racket-secrets/
スペックを以下に抜粋します。
重量:340g
バランスポイント:32.3cm
スイングウェイト:345sw
ストリングパターン:16×19
※情報がまちまちなので確定ではありませんが、恐らくストリングを張った状態でのスペック
結論ですが、HEADのPT 348.1というプロストックを使っていることが分かりました。
こちらは、同じくHEADのEXTREME PRO(旧TOUR)をベースとしたプロストックです。
実際、ツアーデビュー初期はEXTREMEのペイントジョブを使用しており、納得できる情報と言えます。
スペックとしての注目点はその重量。
別記事でまとめた、同世代のアルカラス選手やシナ―選手と比べて、重めのスペックを採用しています。
ふと思い返すと、片手バックハンドの選手は重めのラケットを使っているイメージがあります。
ラケットの重量を活かして、片手でも打ち負けにくくするためでしょうか?
使用ストリング
同記事の中では、メイン(縦)にHEAD HAWK TOUCH、クロス(横)にHEAD LYNX TOURを張っているとのこと。
テンションは53ポンドで、おそらくメイン・クロスともに共通。
男子プロの中では平均くらいのテンションでしょうか。

スピン性能への寄与が小さいクロスに、多角形のスピン系ストリングLYNX TOURを使っているのが興味深いですね!
似たラケットを使いたい➡HEAD EXTREME PRO (旧TOUR)を使おう!
最後に、ムゼッティ選手が使っているラケットに一番近いモデルをご紹介します。
コスメ重視であればBOOMシリーズを使えば良いですが、スペックを近づけたい場合はどうでしょう?
結論としましては、HEAD EXTREME PRO (2022年以前のモデルはTOUR)をカスタムするのがおすすめです。
先ほど述べた通り、EXTREMEのプロストックを使っているので当たり前な予想ですが…。
順番に根拠を説明していきます。
理由① フェイス形状的に、BOOM・GRAVITY・PRESTIGEシリーズは除外
まず、簡単に区別できるのがフェイス形状。
画像を見ての通り、綺麗な楕円のフェイス形状をしていることが分かります。
また、同じくフェイス部の断面形状は角ばっておらず、丸みがある=ラウンド系であることも分かります。
この時点で、フェイス形状がティアドロップ(卵型)形状のBOOM・GRAVITYシリーズ
そして、ボックス形状のPRESTIGEシリーズは除外することができます。

中身がBOOMシリーズでないのは割とすぐ見抜けられます。
市販品と違うのはちょっと残念なような…
理由② スロート形状的に、SPEED・RADICALシリーズは除外
次の判断基準は、スロート(グリップ~フェイス間のV字になっている所)の形状。
EXTREMEシリーズの特徴として、剛性を高めるために肉厚かつ断面が楕円形状のスロートを採用している点が挙げられます。
写真のように、特にグリップに近くなるにつれてスロートのボリューム感が増していることが分かります。
対して、SPEED・RADICALシリーズのスロート形状は細めかつ多角形断面になっています。
参考までに、SPEEDシリーズのプロストックを使っているシナ―選手の画像を載せます。
こうやって見比べてみると、違いがよく分かりますね!
理由③ フレーム厚から、PRO(旧TOUR)が一番近しい
ここまでの絞り込みで、EXTREMEシリーズが近いラケットであることが分かりました。
最後に、EXTREMEのどのラインナップが近いのかについてです。
・フレームが厚くフェイスサイズが大きいMP系のモールド
・フレームが薄くフェイスサイズが小さいPRO(旧TOUR)系のモールド
どちらかということになります。
正直、画像のみではこの違いを見分けることはできませんでした。
よーく見てみると、手の収まり的にフレームが薄く見えるような…

補足すると、EXTREME MPのスロート形状は更に肉厚で、全ラケットの中でもトップクラスです。
それを加味すると、PRO(旧TOUR)が近いラケットと判断して問題ないと思います。
これに鉛テープやレザーグリップで加重し、HAWK TOUCH×LYNX TOURを張ればまさにムゼッティ選手。
片手バックハンドの練習も忘れずに!
まとめ
ここまで、ムゼッティ選手のプロフィールから使用ラケットまで解説してきました。
「観ていて楽しいテニス」を体現しているムゼッティ選手。
更なる活躍を期待して注目していきましょう。
最後までご閲覧ありがとうございました!
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